「5歳 卒乳 まだ」
夜、布団の中でそんな言葉を検索したことがある方へ。この記事は、数年前に同じ検索をしていた母が書いています。
うちの三男は、5歳になってもおっぱいをやめられませんでした。
先に結論を言ってしまいます。あんなに悩んだのに、いつ、どうやって終わったのか——私は覚えていません。それくらい、終わりは静かに来ました。
今日は、そのお話をします。
長男と次男は、1歳半で卒乳した
上の子ふたりは、1歳半ごろに自然と卒乳しました。
特別なことは何もしていません。気がついたら飲まなくなっていた、という感じでした。だから卒乳で悩んだ記憶も、ほとんどありません。
三男だけ、違いました。
5歳になっても、おっぱいをくわえに来た
母乳は、とっくにほとんど出なくなっていました。それでも、授乳だけが5歳まで続いていました。
寝る前。明け方。保育園から帰ってきたとき。少し吸って、すぐやめる。飲みたいというより、確かめに来る、という感じでした。
「おっぱいやめようよ」と促したこともあります。効果はありませんでした。
不思議だったのは、人前では絶対に求めてこなかったことです。恥ずかしいという気持ちは、ちゃんとあるようでした。だからこそ、よけいに分からなくなりました。分かっているのに、やめられない。これはいったい、何なんだろう——。
誰にも言えなかった

5歳で授乳が続いていることは、誰にも話していませんでした。
ママ友にはもちろん、話せません。「えっ、まだ飲んでるの?」という顔をされるのが怖かったのだと思います。
だから、夜中にひとりで検索するのです。「5歳 卒乳 まだ」「卒乳できない」——画面の向こうに、同じ悩みの人を探していました。
いま思えば、あのころの私が欲しかったのは、卒乳のテクニックではありませんでした。「うちもそうだったよ」という、たったひと言だったのだと思います。
「やめなくていい」——HISAKOさんの動画に救われた
誰にも言えず、夜な夜な検索する日々の中で、たどり着いたのが、12人のお子さんを産んだ助産師HISAKOさんのYouTube(【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル)でした。
動画の中で、HISAKOさんはこう言っていました。
「地球全土で見たとき、地球の平均卒乳年齢というのは、実は4.2歳という統計もあるんですよ」
人間は哺乳類。1歳を過ぎたら卒乳しなければおかしい、というのは思い込みだったのかもしれない——そう思えたのは、大きな救いでした。
12人育てた助産師さんが「大丈夫」と言ってくれている。それなら、うちの子のペースでいい。本人が自分で卒業するまで、無理にやめさせるのはやめよう。そう決めたら、悩みそのものが、ずいぶん軽くなりました。
そして、終わりは覚えていないほど静かに来た
この記事を書くにあたって、思い出そうとしました。
結局、息子はいつ卒乳したんだっけ——。
覚えていないのです。何歳のときだったか。最後の授乳がいつだったか。どんなふうに終わったのか。何ひとつ、思い出せません。
「そんなことで悩んでたっけ?」
いまの正直な気持ちは、これです。夜中に検索するほど悩んでいたことの終わりを、母親の私が覚えていない。それくらい、終わりは静かに、いつの間にか来ていました。
卒乳は、いつか必ず終わります。ドラマチックな「最後の日」なんて、なくていいのです。
ASDと関係があったのか、今も分からない
息子はその後、小学校入学の1ヶ月前に、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。

5歳まで続いた卒乳は、ASDと関係があったのでしょうか。
正直、分かりません。感覚的な安心を求めていたのかもしれないし、ただ単に、この子のペースだっただけかもしれない。医学的なことは、私には断定できません。ただ、わが家の場合はそうだった、というだけの話です。
ひとつだけ、あとから知って驚いたことがあります。
あのとき私を救ってくれたHISAKOさんには12人のお子さんがいますが、7番目のお子さんが発達障害(息子と同じASD)であることを、動画で公表されているのです。
当時の私は、発達障害のことなど何も知らず、自分の子を疑ったことすらありませんでした。そんな私が、何も知らないまま、発達障害の子を育てる先輩ママの言葉に救われていた。ずいぶん後になってから、そのことに気づきました。
あの頃の私へ

「5歳 卒乳 まだ」と検索していたあの頃の私に、いまなら言ってあげられます。
そんなこと、心配しなくても大丈夫だよ。
終わりは、ちゃんと来ます。
終わりは、あなたが覚えていられないくらい、静かに来ます。
いま同じ検索をしているあなたへ。うちも、そうでした。5歳で、おっぱいをくわえに来ていました。誰にも言えませんでした。そして今、その終わりを思い出せないくらい、遠い話になりました。
焦らなくて大丈夫です。その子のペースで、ちゃんと卒業していきます。親子で一歩ずつ、進んでいきましょう。