発達障害の子もスイミングに通えた|男子更衣室の着替えを乗り越えた方法

    発達障害のある子を、スイミングに通わせたい。

    でも、「そもそも嫌がらないかな」「着替えはどうするの?」「男子更衣室に親は入れないけど大丈夫かな」と不安で、スイミングに通わせることを躊躇されている方も多いのではないでしょうか?

    うちの三男は、発達障害(自閉スペクトラム症)があります。この夏からスイミングに通い始め、9月には初めての昇級テストに合格しました。


    この記事では、通うまでに悩んだことと、一番心配だった「着替え」の問題をどう乗り越えたのかについてお話しします。


    「うちの子には無理かもしれない」と諦めかけている方の、少しでも参考になればうれしいです。

    目次

    兄たちは小3からスイミングスクールに通っていた

    スイミングの持ち物(タオル・ゴーグル・水着・水泳帽)が入ったかごの水彩イラスト

    長男・次男は、小学3年生の頃から近所のスイミングスクールに通っていました。


    そこは、少し厳しめと言われているスクールです。長男はバタフライまで泳げるようになりました。近所では、そのスクールか、別の屋内プールに通う人が多いです。


    学校でも水泳の授業はありますが、泳ぎ方まで細かく教えてもらえるわけではありません。

    それでも高学年になると、多くの子どもが泳げるようになっているようです。高校の体育の授業にも、水泳の単元があります。


    だから三男にも、いつかのタイミングでスイミングを習わせたいと思っていました。泳げないことで、劣等感をもたないようにしてあげたい。


    そして、スイミングを習わせたい理由がもう一つありました。体力をつけさせたいと思ったからです。トモニの教えの基礎がマラソン、山歩きであるように、体力づくりはとても大切だと思います。


    発達障害の子向けの個人レッスンは、費用が続かなかった

    ただ、発達障害のある子にとって、スイミングに通うことは簡単なことではありません。


    長男・次男が通っていたスイミングスクールに、三男がついていくのは難しいのではないかと思っていました。


    そこで、発達障害の子を受け入れてくれるスイミングスクールはないか、ネットで検索しました。
    すると、発達障害の子ども向けのマンツーマンレッスンが見つかりました。

    ONE TENTHスイミングスクール(関西の料金)


    個人レッスン(60分):6,800円
    入会金:11,000円
    スポーツ保険料:1,450円
    ※2026年10月時点
    https://www.swimmy-ss.com/onetenth


    マンツーマンでこの値段なら、決して高くはないと思います。
    でも、1回あたり6800円。月4回通えば、1ヶ月で2万7千円ほどになります。


    公文の算数と英語で、すでに月々14,960円かかっています。兄二人の塾代もかかります。スイミングにこの値段を払うのは、正直きついです。


    どうしたものか、答えが出ないまま時間だけが過ぎていきました。

    保護者会で、特性のある子が通う屋内プールのスイミングを教えてもらった

    2026年3月、三男がもうすぐ小学2年生になるころのことでした。
    三男が通う放課後等デイサービスの保護者会で、あるママさんと話す機会がありました。

    そのママさんのお子さんは特性があり、近所の屋内プールに幼稚園の頃から通っているそうです。今ではバタフライまで泳げるようになったということでした。


    そのママさんが言うには、

    子どもさんの特性の度合いによるので、みんながスイミングに通えるとはいいきれないですけど
    うちの子はプール、全然大丈夫でしたよ


    とのことでした。


    「うちの子も、そこなら通えるかもしれない」
    そう思えたのは、その情報のおかげでした。


    それから約4か月後、ちょうど夏休みのタイミングで、実際に申し込むことにしました。学校が夏休みなので、少し負荷がかかっても大丈夫だろうと考えたのです。

    同じ夏に、公文の英語も新しく始めました。


    心配だったのは「水を怖がらないか」「一人で男子更衣室で着替えられるか」の2点。
    スイミングに通わせるにあたって、心配していたことは大きく2つありました。


    ひとつは、プールそのもの。発達障害のある子の場合、水への抵抗があるのではないかと、私は心配していました。


    でも、学校でのプールの授業の様子を聞く限り、それほど嫌がっている様子はありませんでした。むしろ、泳げるようになりたいと、家のお風呂で顔をつける練習をしていたくらいです。

    もう一つの心配は、着替えでした。
    男子更衣室には、母親は入れません。一人できちんと着替えられるのだろうかと心配でした。

    男子更衣室に母は入れないので、多目的更衣室を使わせてもらった

    ロッカーとベンチが並ぶプールの更衣室の水彩イラスト


    まずは、お試しレッスンを申し込みました。そのときに、受付の方に正直に相談しました。
    「息子は自閉症です。一人で着替えるのは、まだ難しいと思います。」


    すると、多目的更衣室(多目的トイレのような個室)を使わせてもらえることになりました。おかげで、私と三男の2人で一緒に着替えることができました。


    ロッカーの使い方にも、少し工夫が必要でした。
    このプールのロッカーは「コインリターン式ロッカー」です。100円を入れて使い、使い終わったら100円が戻ってくるタイプのロッカーです。


    三男が一人でこれを使えるようになるか心配で、男性のスタッフの方に説明をお願いしようかとも考えました。


    でも、多目的更衣室を使えたおかげで、お試しレッスンの3回とも、私が直接ロッカーの使い方を教えることができました。

    お試しレッスン初日、緊張していたのは私の方だった

    プールの見学席のガラス越しに、レッスンを受ける子どもたちを見守る母の水彩イラスト

    7月27日、お試しレッスンの初日。
    三男は少し緊張した様子はありましたが、振り返ってみると、緊張していたのは私の方だったのかもしれません。


    三男は、私が「行くよ」と背中を押せば、それほど嫌がらずに新しいことにも取り組めるタイプです。
    「大丈夫かな」と心配していた私をよそに、三男はちゃんとレッスンに向かっていきました。

    お試しレッスンを3回受けて、本申し込みをした

    お試しレッスンは、7月に2回、8月のお盆前に1回、全部で3回受けました。


    いきなり本申し込みをするのではなく、まずお試しで様子を見られたのは、私にとって大きな安心材料でした。

    3回とも、三男は嫌がらずにプールへ向かいました。「これなら通えそう」と思えたので、本申し込みをしました。


    そして8月末、本コースの1回目のレッスンがありました。このとき、三男は「レベル4」と判定されました。

    本コース1回目から、一人で男子更衣室で着替えられた

    本コースが始まってからは、多目的更衣室ではなく、男子更衣室を使っています。
    お試しの3回で、ロッカーの使い方を理解できていたので、特に困ることはありませんでした。


    本コースの1回目から、三男は一人で男子更衣室へ入り、水着に着替えて、プールへと向かうことができました。


    あれほど心配していた着替えでしたが、お試しの期間に親子で練習できたことで、すんなりと一人で着替えられるようになりました。

    見学席から見たレッスンは、思っていたよりしっかりできていた

    ビート板を持って練習する子どもと、プールの中で見守るコーチの水彩イラスト

    このプールでは、保護者はプールサイドには入れません。4階の見学席から、3階のプールの練習風景を見守るだけです。
    三男は、着替えもレッスンも、私の手を離れて一人で取り組んでいます。


    初心者レッスンは、先生1人に対して生徒8人ほどのグループです。三男は腰にヘルパー(浮き具)をつけて、ビート板を持ちながら、浮いたり仰向けになったりする練習をしていました。


    思っていたより、ちゃんとついていけていました。本人も「泳げるようになるかな」と、やる気を見せています。

    その姿を見ていると、「最初から無理だと決めつけなくてもよかったのかもしれない」と思いました。

    9月、初めての昇級テストでレベル5に合格した

    このプールでは、2か月に1回、昇級テストがあります。
    入会の手続きのときに一通り説明は受けていたのですが、実際は初めてなので、私もあまり把握していませんでした。


    9月の昇級テストの日も、4階の見学席から見ていました。いつものレッスンとあまり変わらないように見えましたが、先生が一人一人をチェックしている様子だったので、「今日はテストだろうな」と思っていました。


    上から見ているだけでは、合格なのか不合格なのか、よく分かりません。
    レッスンが終わって、男子更衣室から息子が出てきました。


    息子は何も言いませんでした。でも、私が息子の水泳帽を見たら、マジックテープでつけてあるレベル4のワッペンが、レベル5に変わっていました。


    「あれ?合格したん?」
    と聞くと、嬉しそうに
    「うん」
    と笑っていました。


    「お〜!よかったやん」
    と、二人で喜びました。

    スイミングスクールの認定基準レベル表(レベル1〜50)
    通っているスクールのレベル表


    レベル5は、ビート板を使わずに、その場でうつぶせになって浮けるレベルです。ビート板につかまって浮いていたレベル4から、一歩前に進みました。


    後日、おばあちゃんにも

    息子

    ちょっと泳げるようになってん

    と得意げに話していました。
    少し泳げるようになって、自信もついたようです。

    朝マラソンや縄跳びで「頑張ればできる」を知っていた

    三男は今まで、朝マラソンや山登り、縄跳びなど、いろいろなことに挑戦してきました。
    頑張って達成できたときは、私も思いっきり褒めてきました。


    「頑張ればできる」という喜びを、三男はすでに知っています。
    だからこそ、今回のプールにも、本人なりに前向きに取り組めているのだと思います。

    まとめ

    発達障害のある子をスイミングに通わせるのは、簡単なことではありません。
    水への抵抗、着替え、費用、親が送迎できるか。クリアしないといけない条件はいくつもあります。


    うちの場合、水への抵抗は思ったより大きくなく、一番の壁は「着替え」でした。


    わが家でやったことは、この3つです。

    ・申し込みのときに、施設に正直に相談した


    ・お試しレッスンの間は多目的更衣室を使わせてもらい、ロッカーの使い方を教えた


    ・お試しを3回受けて、嫌がらないことを確かめてから本申し込みをした

    その結果、本コースの1回目から、三男は一人で男子更衣室で着替えられるようになりました。そして9月には、初めての昇級テストでレベル5に合格しました。


    「男子更衣室に親は入れないから無理かもしれない」と思っていた私にとって、これは大きな一歩でした。


    もし今、「うちの子には無理かもしれない」と諦めかけているなら、一度、施設に直接相談してみるのも手ではないでしょうか?


    施設によって対応は違うと思いますが、うちのように、思わぬ解決策が見つかることもあります。

    子どものことを一番よく知っているからこそ、親は先回りして「難しいかもしれない」と心配してしまうことがあります。


    でも、実際にやってみると、親が思っていた以上に子どもは成長していることもあります。
    新たなことに挑戦するのはとても勇気が要りますが、うちは挑戦してみてよかったです。

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