放課後等デイサービス(以下、放デイ)を選ぶとき、どうやって選べばいいんだろう。そう迷っている保護者の方は、多いと思います。
息子が自閉スペクトラム症と診断され、療育を始めようとしたとき、私が最初にぶつかった壁が「放デイ選び」でした。
放デイを探すのは、大変ですよね。入ってみないと分からないし、でも、できれば失敗はしたくない。
この記事では、わが家が利用した3つの放デイの体験談と、どうやって選んだか、そして、やめるときにどう伝えたかをお話しします。
| この記事でわかることわが家が利用した3つの放デイの違い放デイを選ぶときに大事にした4つの基準空きがないとき・やめるときにどうしたか放デイに期待しすぎないほうがいい理由 |
※あくまで私個人の感想です。子どもの特性や個人差があります。うちの子には合っていても、違う子には合わなかった、ということはよくあります。参考程度に読んでいただけたらうれしいです。
タイプの違う3つの放デイを利用しました
わが家は、1年生の4月から2年生の8月までに、タイプの違う3つの放デイを利用しました。放デイは合わせて週2回までと決めていたので、1つ目(木曜)と2つ目(水曜)を掛け持ちし、2月に1つ目を3つ目(木曜)に入れ替えました。2年生の8月からは、2つ目だけに通っています。
わが家の通い方
- 1年生の4月:1つ目(木曜)を利用開始
- 1年生の5月:2つ目(水曜)を利用開始(1つ目と掛け持ち)
- 1年生の2月:1つ目をやめて、3つ目(木曜)に入れ替え
- 2年生の8月:3つ目をやめて、2つ目(水曜)だけに
【図解:houday_hikaku_sp2.png(ダウンロードフォルダにある新しい版)】
キャプション:▲ わが家が利用した3つの放デイの比較(人数は母の感覚です)
代替テキスト:わが家が利用した3つの放課後等デイサービスの比較。遊び中心、個別療育、トレーニング型
1つ目:ママ友の紹介で決めた、遊び中心の放デイ
息子が自閉スペクトラム症と診断されたその日に、ママ友に相談しました。そのとき教えてもらったのが、1つ目の放デイです。
その頃は、どんな放デイがいいのか、息子にはどんな療育が合うのか、まったく考えていませんでした。「まずは放デイに行かなければ!」と、気持ちが焦っていた時期です。
ママ友に事業所のホームページを教えてもらって、すぐに連絡を取りました。幸い、木曜日ならすぐに空きがあるとのことで、すぐに入所の手続きをしました。
- 4月9日:手続き
- 4月24日:毎週木曜の利用を開始
正直な感想は、「可もなく不可もなく」です。先生方はみんな優しく、息子も機嫌よく通っていました。ただ、息子の成長につながっているかと言われると、よく分かりませんでした。
通っていたときの様子
- 先生や他の子と、パズルをして遊ぶ
- 絵を描く
- 地域のお祭りに連れて行ってもらう
同世代の子や、親以外の大人と関わるという点では、家とは違う体験をさせてもらえました。預かりがメインで、学童よりは手厚く見てくれる、という感じです。
学校まで迎えに来てくれて、帰りは家の前まで送ってくれました。ありがたかったのですが、療育に役立っているかといえば、少し疑問でした。子どもは8人、先生は3人くらい(私の感覚です)でした。
【画像:公園で話すママ友と母(既存の挿絵)】
キャプション:▲ 診断されたその日に、ママ友に相談しました
2つ目:体験で「ここに通わせたい」と思った、個別療育の放デイ
2つ目は、入学してから知り合ったママ友が教えてくれた、できたばかりの事業所です。息子が入学する2か月ほど前にオープンしたばかりで、ママ友から「よかったよ」と聞いたのがきっかけでした。
- 4月23日:息子が体験・見学
- 5月2日:手続き
- 5月7日:毎週水曜の利用を開始
体験のとき、1学年下の男の子と楽しそうに遊ぶ息子の姿を見て、「ぜひここに通わせたい」と思いました。これが、2つ目を選んだ決め手です。
この事業所には送迎サービスがありますが、家から歩いて5分ほどなので、わが家は歩いて通っています。行きは、学校から帰ってきた息子を私が連れていき、帰りは私が迎えに行きます。
水曜日の流れ
- 15時ごろ:学校から帰宅
- 15時10分:母と一緒に歩いて放デイへ
- 手作りのおやつを、みんなでいただく
- 先生と1対1の個別療育(人生ゲームなど、みんなで遊ぶ時間もあります)
- 17時40分:母が迎えに行く
子どもは8人くらい、先生は5人くらいです(私の感覚です)。
【画像:手作りのおやつ(既存)】
キャプション:▲ 毎週水曜は、手作りのおやつから始まります
個別療育でやっていること
- お友だちと一緒に自己紹介をするカードゲーム「トーキングゲーム」
- 見本と同じようにカードを並べ替える「ナインタイル」
- 支援員さんの「こんなときどうする?」という質問に答える
- 畑で種まきをする
土曜日には、第2・第4土曜に行事があります。わが家はたまに参加していて、流しそうめんやスイカ割りに参加させてもらいました。
【ブログカード:K式発達検査の記事(耳で聞く指示が苦手、という結果と、個別療育が合っていたこと)】
3つ目:4か月待って入所した、トレーニング型の放デイ
何人ものママから評判のよかった、大手が運営する事業所です。1年生の10月に見学・申し込みをして、実際に入所できたのは2月でした。人気があり、常にキャンセル待ちのようでした。
カリキュラムがしっかりしていて、遊ぶときはお友達と遊びます。でも、トレーニングの時間になると、先生がホワイトボードに書くことを生徒たちが見て、先生の話を聞く。学校や塾のような雰囲気でした。
- アセスメント:入所前に、約50項目の質問を受けて、息子の「今、何が苦手か」をアセスメント表にまとめてもらいました。
- モニタリング:1か月ごとに書面が発行され、放デイでの様子を細かく教えてもらえました。
「遊びの延長」だった1つ目とは対照的に、しっかり学んでいるという印象です。送迎はありませんが、それでもキャンセル待ちが出る人気の事業所。それだけ、療育プログラムがしっかりしているのだと思います。
トレーニングと余暇時間に分かれた1日の流れ
トレーニングの時間が決まっています。
- 1限:17:00〜17:30
- 2限:17:40〜18:10
- 3限:18:20〜18:50
この時間以外は「余暇時間」で、お友達と遊んだり、カードゲームをしたりします。
息子は、いつも15時55分ごろに行って、1限を受けて、17時35分ごろに帰ります。「16時30分から行く」といった時間の調整もできるので、生活に合わせやすいです。
【画像:時間割に沿って授業を受ける子どもたち(既存)】
キャプション:▲ トレーニングの時間は、先生の話を聞いて学びます
見学・体験で見たポイントと、選ぶときの基準
3か所を利用して分かった、放デイを選ぶときの基準は、次の4つです。
| ポイント:選ぶときの4つの基準見学で、雰囲気と先生の人数の余裕を見る体験で、子どもの表情を見る苦手を受け止めてくれる大人がいる1週間全体で考える |
① 見学で、雰囲気と先生の人数の余裕を見る
見学では、次の4つを見ます。
- 靴がきちんとしまってあるか
- おもちゃが出しっぱなしになっていないか
- 支援員さん同士が和気あいあいとしているか
- 子ども何人に対して、先生が何人いるか
まず、整理整頓ができているかは、大事なポイントです。そこがいいかげんな事業所は、子どもに対しても誠実ではないのでは、と思ってしまいます。
支援員さん同士が和気あいあいとした雰囲気なのかも、重要です。ピリピリした雰囲気では、子どもたちは安心して療育を受けられません。
子ども何人に対して先生何人か、も大切です。わが家の場合、1つ目は子ども8人に先生3人くらい、2つ目は子ども8人に先生5人くらいでした(母の感覚です)。
2022年12月、大阪府吹田市の放デイで、送迎車を降りた中学1年生の男の子が、施設に入る前に走り出し、その後亡くなるという事故がありました。報道では、送迎は職員2人で対応すると決めていたのに、その日は1人だったとされています。(出典:関西テレビの報道)
私は、先生の数にゆとりがないことが、大きな事故につながったのだと思います。だから、先生がぎりぎりの事業所には、子どもを通わせたくありません。
② 体験で、子どもの表情を見る
体験できるなら、体験することをおすすめします。
体験してみて、子どもが楽しそう、雰囲気になじめそう、ということなら、その後も通わせてあげるのはいいと思います。でも、子どもが楽しそうでなければ、かわいそうです。
自分の気持ちを上手に伝えられない子だからこそ、親が汲み取ってあげなければならないと思います。
うちの息子は、3つの事業所とも体験をして、楽しそうでした。特に2つ目は、一緒に遊んだ子との波長が合ったのか、初めて来たとは思えないほど、すっとなじむことができました。
③ 苦手を受け止めてくれる大人がいる
子ども同士のトラブルは、絶対に起きます。むしろ、トラブルを経験してほしいと思っています。自閉症のお子さんでなくても、大人になっても、人間同士のトラブルは避けられません。
今のうちに、「こう言ったら相手が嫌がるんだ」「嫌な気持ちになったとき、どうすればいいんだろう」ということを、見守ってくれる大人がいる場所で経験してほしいのです。
学校や学童は、先生の数に対して子どもの数が多く、先生の目が行き届かないのは仕方のないことだと思います。そういうときは、声の大きい子の意見が聞き入れられることが多いです。うちの息子のように、自分の思いを言葉にできない子は、スルーされてしまいます。
その点、放デイで支援員さんがきちんと見てサポートしてくれる場所なら、安心です。しっかり見てくれる支援員さんがいる事業所を選びたいです。
④ 1週間全体で考える
入学したばかりの頃は、新しい環境に慣れるだけでも大変だと思い、放デイは週2回までと決めていました。その後、1年生の夏から公文(週2回)が加わり、隔週の土曜は病院の療育があります。2年生の夏からは、プールも始めました。いま、もし放デイを週3回にしたら、休みは日曜日だけになってしまいます。
先輩ママさんに話を聞くと、毎日放デイに通っているお子さんもいます。子どもが負担にならず、楽しんで通っているなら、それもいいと思います。うちの子の場合は、放デイから帰ってくると「あ〜つかれた〜」と言うので、週のうち1日は休みの日にしようと、1日空けています。
【ブログカード:公文の記事】
(補足)送迎は、あれば楽です。ただ、わが家で実際に送迎を使ったのは、3つのうち1つ目だけでした。
空きがないとき・キャンセル待ちのときにしたこと
2つ目の場合
入学後に知り合ったママ友の情報で、すぐに申し込みをしました。幸い入所できましたが、私のあとに申し込んだママは、キャンセル待ちと言われたそうです。
3つ目の場合
こちらは、多くのママからとてもいいという評判だったので、満席だろうと思いつつ申し込みをしたら、やっぱり満席でした(笑)。
何か月先になるか分からないと言われましたが、キャンセル待ちを申し込みました。その間は、1つ目と2つ目を利用して、結果、4か月待って受け入れの連絡がきました。評判どおり、どの先生も優しく、子どものことをよく観察してくれていました。
| ポイント:学んだこと情報は、積極的に取りに行く迷っているなら、できるだけ早く行動する待っていても、放デイのほうから「うちに来ませんか?」とは言ってくれません。人気のところならなおさらです |
最初は、知らない放デイに問い合わせるのは勇気がいると思います。でも、きちんとした放デイなら、しっかり対応してくれると思います。
【ブログカード:記事①(受給者証の申請から、放デイを利用するまでの流れ)】
放デイをやめるときの伝え方
放デイをやめると伝えるのは、気が重いと思います。私も、言い出しづらかったです。
1つ目をやめるとき
- まず、「やめるなら、どのくらい前にお伝えしなければなりませんか?」と聞きました。はっきりとは言われませんでしたが、「だいたい1か月ぐらい前ならありがたいです」とのことでした。
- 多くの放デイは、1か月先のスケジュールを提出します。すでにスケジュールを出していた分は、最後まで通ってからやめようと思いました。
- 送り迎えで支援員さんに会うときに、「◯月いっぱいで辞めさせていただきたいです」と伝えました。
本当は、3つ目の事業所に空きが出たので、やめることにしたのですが、本当のことを言ったら気を悪くされると思い、言いませんでした。「ほかの放デイや公文もあり、息子がスケジュール的にしんどそうなので」という理由にしました。
支援員さんは、残念そうな様子でした。
【吹き出し(左向き・1つ目の先生):「そうですか…。籍だけ置いておくという手もありますよ」】
高圧的ではないのですが、「やめないでほしい」という雰囲気でした。
私としては、やめるならやめる、とはっきりさせたかったので、次のように伝えました。
「いったん、きちんとやめさせてください。またお世話になるかもしれません。そのときは、また申し込みさせてください」
3つ目をやめるとき
小学2年生の夏からプールを始めて、スケジュール的に厳しくなったので、やめる旨を伝えました。こちらは、本当の理由を伝えました。もともと人気のある放デイだったので、引き止められることなく、すんなりやめることができました。こちらも、1か月ぐらい前に伝えました。
【ブログカード:水泳教室の記事】
息子への伝え方
1つ目も3つ目も、私が決めて、息子には報告するという形でした。特に1つ目は、ギリギリまで、やめることを息子には伝えていませんでした。息子から先生へ間違って伝わるのが怖かったからです。
「どっちにする?」とは聞かず、「今度から違う放デイに通うから」と伝えました。息子は、特に抵抗なく、すんなり受け入れてくれました。
放デイの費用(わが家の場合)
放デイの利用料は、原則1割負担で、世帯の所得に応じて月額の上限が決まっています(国の制度)。詳しくは、お住まいの自治体の案内で確認してください。
- わが家が最初にもらった受給者証:月10日まで利用でき、上限は月4,600円
- 更新後:利用できる日数が月20日に増え、その間も上限は月4,600円のまま
1か月20日までなら、何日通っても4,600円までしか払わなくてよかったので、助かりました。わが家も、まわりのママ友も、4,600円の人が多かったです。
ただし、おやつ代や教材費などは、別料金になります。
まとめ
3つの放デイを利用させてもらって、私が思ったことは、「放デイには期待しすぎないほうがいい」ということです。
どの放デイも、とてもお世話になっていて、ありがたい存在です。家、学校の次になくてはならない存在です。
でも、放デイに通っても、すぐに何かが変わるわけではありません。長い目で見たら、「同世代のお友達とコミュニケーションがとれるようになってきた」といった変化はあります。でも、通ったからIQの数値が急に上がった、というわけではありません。
最初に受給者証をもらったときは、「すぐに通わなければ!」と焦っていました。でも、1か月やそこらでは変化は見られません。半年、1年をかけて、ゆっくり成長していくものだと思っていたほうがいいと思います。