「きょうだいに障害がある子は、我慢することが多いのでは——」
そう心配したことはありませんか。
うちには、ASD(自閉スペクトラム症)の三男の上に、17歳の長男と14歳の次男がいます。三男が生まれたとき、長男は10歳、次男は7歳でした。
正直に言うと、うちの場合、いわゆる「きょうだい児の悩み」というものは、あまりありませんでした。
この記事では、なぜそうだったのか、そして実際のところどうなのか、長男・次男との日常をお話しします。同じように心配している方の、少しでも参考になればうれしいです。
年の差があったから、赤ちゃん返りもなかった
三男が生まれたとき、長男は10歳、次男は7歳でした。もう十分に大きかったので、赤ちゃん返りをすることはありませんでした。
それどころか、二人とも育児の戦力になってくれました。三男がまだ赤ちゃんだったころ、お風呂は長男が三男と一緒に入ってくれて、私が三男を受け取ってバスタオルで拭く、という役割分担でした。夫が仕事で忙しかったので、長男・次男が育児を手伝ってくれることは、本当に助かりました。
受験生だった長男が付き合ってくれたトランプ

三男が小さい頃、寝る前に家族でトランプをするのが習慣でした。ババ抜き、ダウト、UNO。
ちょうどその頃、長男は中学3年生、受験生でした。それでも長男は、勉強の休憩時間に、トランプ遊びに付き合ってくれていました。
今も、長男が学校から帰ってくると、三男の名前を呼びながら「何やってんの?」と声をかけてくれます。長男はピアノが得意で、三男が音楽クラブで練習している曲の伴奏をしてあげることもあります。「弾いて!」「歌って!」と、二人で楽しそうにしている姿を見ると、ほほえましくなります。
長男は三男のことを
長男かわいいなあ
ずっとこのままがいいなあ
と言います。三男のことを、本当にかわいがってくれているのだと思います。
次男は「うんこ」と言いながら帰ってくる
次男との関係は、長男とはまた違います。次男は三男に対して当たりがきつく、頭を軽くぽんと叩いたり、じゃれ合いの延長で足を出したりすることもあります。もちろん本気で痛めつけるようなものではなく、お互い笑いながらじゃれ合っているようなやり取りです。
学校から帰ってくると、次男は三男の名前を呼びながら「うんこ」と言いながら帰ってきます。三男も笑いながら言い返していて、二人のお決まりのやり取りになっています。
実は、三男が一番懐いていて、一番信頼しているのは次男です。性格も、なんとなく似ているところがあります。次男は魚を捌いたり、包丁を使うのが得意で、日曜のチキンカレー作りを一緒に手伝ってくれることもあります。
診断を伝えたときの二人の反応
三男が自閉症だと診断されたとき、私から長男と次男に説明しました。二人とも少し驚いた様子でしたが、それによって三男への接し方が変わることはありませんでした。
診断が分かったのは1年半ほど前とまだ最近なので、これまで二人が学校の友達から、三男のことで何か言われた経験もないようです。
なぜ「よくある悩み」がなかったのか
きょうだいに障害がある子は、遊びに行ったり旅行に行ったりすることを我慢しなければならない——そんなイメージがあるかもしれません。
でも、うちの場合、動物園などのお出かけも普通にしていましたし、年に一度の家族旅行も、変わらず行っていました。
理由は、年齢差だけではないと思います。三男は見た目が他の子と変わりませんし、自閉症の中でも比較的おとなしいタイプです。散髪のときは激しく抵抗しましたが、スーパーなどで癇癪がひどい、というタイプではありません。だから、外出先で困ることが少なかったのだと思います。
三男の特性によるところも大きいので、すべてのきょうだい児のご家庭に当てはまるとは限りません。それでも、うちの場合はこうだった、ということをお伝えしたいと思いました。
えこひいきしても、嫉妬されない


長男・次男に対しても、三男ばかりに手がかかって、二人のことがおろそかにならないよう気をつけてきたつもりです。年が離れている分、長男・次男はちょうど思春期でした。構いすぎるのも違う、でも見て見ぬふりもしたくない——そのバランスは、私なりにずっと意識してきたことです。
それでも正直に言うと、私も夫も、三男には甘いと思います。えこひいきしないよう心がけているつもりですが、完全にできているかは分かりません。
それでも、長男も次男も、三男に嫉妬するようなことは一切ありません。二人とも、本当によく三男をかわいがってくれています。
1年ほど前、次男の授業参観に三男を連れて行ったことがありました。年の離れた弟の存在に、クラスメートたちが「かわい〜」と、思わぬ注目を浴びていました。次男は、それを嫌がる様子はありませんでした。
まとめ
長男・次男に、三男のことをどう思っているか、あらためて聞いたことはありません。それでも、日々の様子を見ていると、二人とも三男のことを負担ではなく、かわいい弟として受け止めてくれているのだと感じます。
長男も次男も、将来家を出ることを当然のことだと思っています。私たち夫婦も、それに反対するつもりはありません。
うちがこうだったのは、年齢差が大きかったことと、三男の特性が比較的穏やかだったこと、両方が重なった結果だと思います。すべてのきょうだい児のご家庭がこうとは限りません。
今後、成長していく中で、二人がどんな思いを抱くかは分かりません。だからこそ、これからも長男・次男、それぞれの気持ちにも耳を傾けながら過ごしていきたいと思っています。
実は、長男が弾いてくれる「believe」の話は、音楽クラブの記事にも書きました。よかったらこちらもどうぞ。









